野口整体の連続講座が開催されました。
満員御礼!ありがとうございます。
昨日は50名近くの方がオンタイムで
ご参加くださいました。
講師は整体ボディワーカーの山上亮先生です。
第一回目のテーマは『愉気』。
相手の体に手を当て、
気の集注により自然治癒力が引き出されるという、
いわゆる『お手当法』です。
ちょうどお腹が痛いときに、
お母さんにさすってもらうと
痛みが和らぐ経験と同じような原理です。
それは、お母さんが子供に自分の(気)を
与えて治すというものではなくて、
母と子のスキンシップで
心(気)が共鳴した結果、
子供が自分の力で元気を取り戻すイメージ。
だから『治療法』ではなく『体育法』。
その人を励まし、力を引き出し、
育てていくというのは、まさに教育だ。
その共鳴することを『感応』というそうですが、
感応を起こす為に一番大切なことは、
我を忘れて〝ポカン〟とすることだそうです。
〝ポカン〟
相手の呼吸をただ感じて、
相手の心身にただなりきること。
何がいい、悪いと判断したり、
分析したりせずに、
そのままを受け入れる。
これはまさに
マインドフルネスな在り方ですね。
ある意味、
この在り方が一番現代人には難しいそうです。
例えば私たちは、
「気って何?」と聞かれれば、
「それはエネルギーだよ」という風に
すぐ定義してしまおうとするけれど、
それは川を見たことがない人に、
水筒ですくった川の水を見せて、
「これが川だよ」 と答えるようなもの。
それで川というダイナミックな流れ動き、
生命感を理解することは不可能だ。
野口整体創始者の野口晴哉さんは、
『気』というものに対して、
ただ「わからない」と答えたそうです。
この『わからない』というものごとを定義しない、
固定しない柔らかなあり方。
そこにこの『愉気』の本質があるようです。
ドーナツの穴は、
ただそこに存在するというような。
この我を忘れる〝ポカン〟という状態で
いくつかの行気法(呼吸法)を
練習していったのですが、
いつも冷たい僕の手先がポカポカと暖かくなり、
ホッと自分自身と感応するという
温かな体験が起こりました。
この無我の感覚で相手にも触れていくといいそうです。
これは日常の自分自身、
家族やパートナーとの関係性のケアに
とても役立つものだと実感しました。
「孤独がいちばんの病である」 という
マザーテレサの言葉を、
山上先生は引用されていました。
一人ひとりの個人が立ち、
成熟してきた社会の中で人は、
他者への感応が難しくなってきた。
コロナ禍の今は尚更に。
その為、自然治癒力が落ち、
物理的身体がとても冷えやすくなっている。
これは論文が出ているような
世界的な問題の話で、
低体温は万病の元だという認識も
共通だということ。
その中で、あらためて他者と共感する、
触れ合うということの大切さを
しみじみと感じます。
それを育む野口整体。
たんなる身体的な整体に留まらない、
深い人間哲学と知恵。
次回以降も楽しみです!